適応計画管理研究領域
気候変動への適応戦略の計画・管理に関する研究、総合的災害リスク軽減施策を合理的に策定・実施するための方法論に関する研究を行っている。人間の行動を中心に据えた社会・経済システムと災害過程との相互作用の解明、効果的な災害リスクコミュニケーションやガバナンスに関する研究を展開している。
暴風雨・極端気象研究領域
社会への影響が大きい台風・豪雨・竜巻など暴風雨災害や都市や山間部での局地気象災害を対象に、それら極端気象の発生過程・物理機構について、観測・データ解析・数値モデリングなどの手法を用いて研究を行っている。局地規模への力学的ダウンスケーリング、データ同化と数値予測、局所規模の乱流・拡散解析といった科学的手法の開発とともに、暴風雨災害を主とした極端気象について気候変動の影響評価と適応に係る研究を進める。
沿岸リスク研究領域
人口が集中し、高度に利用されている沿岸部を海からの脅威に備える沿岸災害に対するリスク評価についての研究を行っている。特に、地球規模の気候変動に伴う台風特性の変化や海面上昇および高潮を考慮した極端海面水位の予測とこれらが沿岸災害リスクに及ぼす影響を研究する。また、波動力学についての理論的研究、数値モデル開発、室内実験・現地観測研究についての科学技術開発を進めるとともに、マングローブなど自然を活用した災害軽減の技術開発に関する研究を進めている。
水文気象研究領域
豪雨災害に対して人命や未来の笑顔を守るための水文気象学的戦略の構築を目指して、レーダー等を用いたフィールド観測実験や高解像度数値実験によって豪雨のメカニズムを解明し、地球温暖化に伴う豪雨の将来変化予測や適応策としてのリアルタイム豪雨予測手法の開発を行っている。そこでは、人間活動圏を含む流域場と大気場の相互作用を考慮して、人間社会と自然の共生に向けた研究を志向している。
河川防災システム研究領域
河川流域を対象として、豪雨によって発生する内・外水氾濫や土砂災害などの災害現象について、発生メカニズムの解明と被害の防止軽減に関する研究を進めている。特に、気候変動に伴う降雨外力の将来変化を考慮して、内・外水氾濫による浸水被害、堤防決壊、ダム堆砂、流域環境などへの影響を評価する。さらに、基礎的実験や水理模型実験、災害現場の調査を行い、数値シミュレーションをこれらと結びつけることにより、将来リスクや被害軽減効果を評価するための研究を行っている。
大気海洋モニタリング研究領域
大気・海洋を対象に、潮岬風力実験所および白浜海象観測所において実スケール実験や現地観測を展開している。気象・海象の多項目について連続・集中観測を実施し、風工学・気象学・海岸工学・海洋物理学をベースとした基礎・応用研究を進め、大気・海洋の流体にまつわる現象の理解や災害や気候変動の影響評価につながる研究を進めている。各施設の実験・観測用の施設・設備および計測データは、学内外の研究者との共同研究に広く用いられている。
寄附研究部門
気象水文リスク情報(日本気象協会)研究分野
観測技術の高度化や不確定性を考慮した予測情報の活用方策を検討し、革新的な気象水文情報の創生とその利用、気象水文情報の不確定リスクを考慮した気象情報の活用方策に関する研究を実施している。